初めての創作
先日、デパートで開催された花展を見に行った。
ここには「秋」がいっぱい。
すすき
大和撫子
ニュースでも見かけるようになったコスモスはあまり見かけなかったけれど
萩
女郎花
藤袴
あ!
秋だ
秋を実感した
書道は真似から始める。
五輪エンブレムが話題になっているが デザインの世界は 真似は絶対ダメなのか?
勿論、これで報酬を得るプロが真似事という訳にはいかない。
真似がダメでも ヒントにするというのもダメなのだろうか?
書道の場合 作品が売れることは少なく 私が展覧会活動を始めて50年近くなるが会場に展示して知らない人が買って下さったことはホンの数回。知人や弟子が・・・ということも偶にはあるが、それは実費が頂ければ御の字という感じだ。
60年以上も 書に携わっていると 自分だけの作品が書けなければオカシイ。
年に数回の展覧会に 毎回、新しいことを考え 無い知恵を絞ることになる。
これが楽しい。
が、楽しく書けるまでには壁にぶつかり山を越えなければならない。
いつまでも手本を書き写すだけでは面白くない。
1年ほど前から 創作力を付ける練習をしている。
今回、お稽古を始めて5,6年だろうか、まず、何を書くか?
詩を選ぶ。この人は漢詩をしらないと言ったが 高校生にもなると少しは習う。それさえ覚えがないというので 高校生向きの本を貸した。とても新鮮に感じ 読みふけってくれた。
長恨歌が気に入ったと言うが ちょっと長過ぎる。
白氏長慶集の中から「燕詩 示劉叟」にも感動したようで これを書くことに決めたが 五言古詩で150字もある。
初めての作品には これは大作だ。全文でなくっても一部分で良い。最後の部分30字に挑戦した。
書の場合 臨書と言って大昔の大家、王羲之などの書を元に練習する。
それが出来るようになれば その古典の書風によって書きたい詩などを書く。これを倣書というが 臨書をしっかり学び 手の内に入っていれば集めるのではなく その古典風に書けるのだが それには相当の練習が必要で 学んだ古典から文字を探し集めてくることになる。勿論全部の文字があるとは限らない。偏と旁をくっ付けたり 中々大変な作業である。
それが出来て創作へと進む。
ポツポツと字が並ぶだけでは面白くない。
この中ででも 見せ場や空間の美しさなど出したい。
そこで 最初の花展などで空間の美を学ぶのだ。いくら綺麗な字が並んでいても 息苦しい程 詰め詰めでも良くない。
いや、判っていて 人がしない方法で創作することもあるが それは沢山書いてからの事だ。
多少の文字の大小、字間の変化は出来たかと思う。これからの課題としては書く速度、強弱を付ける練習だ。リズム感のある作品にはまだまだほど遠いけれど その後の裏打ち、額への装幀まで よく頑張ったと思う。
「親燕が苦労して育てた子ツバメが成長して離れていって 初めて親の気持ちを知ったであろう」という この詩のように立派に育ってほしいと願う。
by souu-3
| 2015-09-16 07:32
| 書道